自己破産 千葉
ブラックリストへの登録
官報・身分証明書への掲載
マイホームの処分
賃貸借契約解除の危険性
一定の資格制限
保証人への取立て
転居の制限(破産管財人が選任された場合に限る)

●個人生活への影響
一般の方は、自己破産に対して非常に暗いイメージを持っているのが通常です。また、自己破産をすると戸籍に記載されてしまうのではないか、公民権が剥奪されてしまうのではないか、子供の進学に悪影響が生じるのではないかなど、自己破産に対してマイナスのイメージを持っています。しかし、実際には、戸籍に記載されることはありませんし、選挙権も被選挙権もなくなりません。もちろん、子供の進学に影響を与えることはありません。
また、自己破産をしても会社を辞める必要はなく、これは公務員であっても同様です。ただし、現実には、債権者からの給与の差押えにより、勤務先に自己破産の事実が知られてしまい、退職せざるを得ない状況となることもあります。
自己破産をすると債権者が自宅に押しかけてくるとか、家財道具にベタベタと差押えの赤紙が張られてしまうというイメージをお持ちの方も多いですが、実際には、そういうことはありません。といいますのも、債権者は自己破産の申立てによって取立行為が禁止されるため、差押えを受けることはほとんどないからです。ちなみに、債務者の生活に欠くことができない家財道具は法律により差押えが禁止されています。しかし、差押禁止財産ではない家具や電気製品は破産財団に組み込まれることがあり、それらを家族が買い戻してその売却代金を破産財団に組み入れるといったことも珍しくありません。
では、自己破産による実際の不利益には何があるのでしょうか。まず、第一は、破産情報が信用情報機関に登録されることです。一般的にブラックリストといわれているものです。これにより、破産者本人は当然として、同居の家族がクレジットカードをつくることができず、クレジットを利用することができなくなります。しかし、信用情報機関へは3ヶ月ほどの延滞でも登録される場合がありますので、長期に延滞している人は自己破産しなくてもすでに登録されている可能性が高いと思われます。
また、破産手続開始決定が確定すると裁判所から破産者の本籍地の市区町村役場にその旨が通知されて破産者名簿に記載されます。これにより、市区町村発行の身分証明書には破産の記録が記載されることになります。しかし、社会生活の中で市区町村発行の身分証明書の提出を求められることは非常に少ないので、実際に問題になることはほとんどないといえます。
最近、問題になっているのが、ヤミ金業者から破産者へのDMによる勧誘です。これは、自己破産をすると破産者が官報に掲載されるからです。一般人が官報を見ることはまずありませんが、ヤミ金業者はその情報を元に破産者へDMを送り、再び、破産者を多重債務者に陥れようと勧誘してきます。なぜならば、一度、自己破産をして免責を得ると、その後7年間は自己破産することができなくなるからです。
●賃貸借契約への影響
アパート・マンションや借家などの賃借人、借地人が自己破産をした場合には、賃貸人から追い出されてしまうのではないかとの不安を抱いている方もいらっしゃると思います。破産が賃貸借契約の解除事由になるかどうかは、民法621条や判例を検討する限り、土地の賃貸借の場合には借地権に相当の財産的価値があるから、破産したといえども解約申入れについてはそれ以外の正当な理由が必要であるとされ、建物の賃貸借の場合には、賃借人にそこまでのほどは必要ないとしているようです。つまり判例上は、アパートを借りている場合には解除されてもやむを得ないということになりますが、現実には、家賃を滞納していない限り、賃貸借契約を解除されることはまずないと考えていいでしょう。
●資格制限
自己破産をするとさまざまな資格制限があります。たとえば、弁護士・司法書士・税理士などの資格を失うことになったり、会社の役員の資格を失うなどです。また、保険の外交員や証券外交員など、他人の財産を預かり、または管理する業務を一定の資格の下に行っている場合には、自己破産によってその業務を禁止される場合があります。ただし、この資格制限も免責決定と同時に復権するので、自己破産をしたからといって永久に資格制限がされるわけではありません。
●転居等の制限
破産者に一定の財産があるなどして破産管財人が選任される場合、破産者は裁判所の許可を得なければ転居や旅行をすることができません。これは、破産者の逃走や財産隠匿行為を防止するためです。実際には、一時的な外出ではなく相当期間にわたり居住場所を離れる場合に許可が必要となります。しかし、実務的には、合理的な理由があれば問題なく許可が出されますので、債務者にとっては特に不利益になることはないといえます。
また、破産管財人選任事案では、郵便物が破産管財人に配達されることになりますが、これは、債権債務の調査のためですので、債務者はこれらの郵便物を閲覧することができ、破産財団に関係ないものについては破産管財人から受け取ることもできます。
●住宅の取扱い
自己破産を考えている方の中には、『マイホームだけは手放したくない』と思っている方が非常に多いです。自己破産をすれば、当然、マイホームは処分されてしまいますので、どうしてもマイホームを手放さずに債務整理を行いたいと考えている方は個人再生の利用を検討する必要があります(ただし、厳しい要件があります)。
もっとも、自己破産を申立てからといって、直ちに引越しをしなければならないということではなく、破産管財人が住宅を処分するまでの数ヶ月間は従来どおり住み続けることができます。
また、住宅に抵当権などの担保が登記されている場合で、その担保額が住宅の時価をはるかに上回るとき(1.5倍程度という取扱いが多い)には、他に価値のある財産がなければ破産管財人が選任されることはなく、破産手続きを終了させる取扱いが多く行われています。ただし、時価の認定方法(固定資産税評価証明書、地元の不動産業者の査定書など)、被担保債権がどのくらい時価を上回っていれば同時廃止が認められるかなどの運用は、各地の裁判所によって異なりますので申立前に確認しておくべきでしょう。この場合、債務者が債権者の協力を得て任意に売却するか、債権者の競売申立てにより住宅が他の第三者の手に渡るまでは、債務者が住宅に居住することが可能であり、その間は住宅ローンの支払いをせず、引越しを行うための金銭的な準備もある程度行うことができます。
●保証人への影響
自己破産の申立てをして破産手続開始決定・免責決定を受けても、保証人には何の影響も及ぼしません。したがって、保証人は債権者から保証債務についての追求を受けることになります。しかも、保証契約では債務者の破産申立てが期限の利益喪失事由とされていることが多く、期限の利益のない保証債務が現実化することになり、自己破産の申立てにより、保証人についても今後の対応を検討する必要があります。
保証人の支払不能であったり、支払いが困難な状況にあれば、保証人についても法的債務整理が必要な場合があります。しかし、特にクレジット会社に見られる傾向ですが、債権者は必ずしも保証人に対して一括請求を迫るわけではなく、従来どおりの割賦弁済金を保証人から支払うことを条件として一括請求をしないことも少なくありません。
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